シェールガスがアメリカの製造業を復活させる



シェールガスがアメリカの製造業を復活させる

テキサス州はシェールガスの一大産出地帯

ヒューストンは500万人の人口を抱え好景気に沸いているヒューストンは500万人の人口を抱え好景気に沸いている

テキサス州のバーネットやヘインズビル・イーグルフォード・バーミアンベイスンは、シェールガスの一大産出地帯です。アメリカ南部テキサス州の地図を見ると一目瞭然ですが、それらのテキサス州のシェールガスの一大産出地帯の真ん中に位置するのがヒューストンです。
今やヒューストンは、米国エネルギー革命の最前線として500万人の人口を抱え好景気に沸いています。
テキサス州はシェールガスの一大産出地帯とメキシコ湾に面する良港を抱え、石油化学産業を始めとする製造業の出荷額と輸出額は全米トップを誇る州だからです。

日本企業も参加するLNG輸出基地建設が計画されている	日本企業も参加するLNG輸出基地建設が計画されている

そして、ヒューストンを挟むキャメロンとフリーポートは、日本企業も参加するLNG輸出基地建設が計画されています。
特に、フリーポートはアメリカの製造業の復活を象徴する町として注目を浴びています。

アメリカ製造業復活を象徴する町フリーポート

世界最大の化学メーカーの石油コンビナートが存在している世界最大の化学メーカーの石油コンビナートが存在している

フリーポートには世界最大の化学メーカーのダウ・ケミカル社の石油コンビナートがあります。このフリーポートの石油コンビナートで、ダウ・ケミカル社の米国販売の44%・世界販売の20%が生産されています。
そして、ダウ・ケミカル社はフリーポートに2015年に大型プロピレン工場を稼動させ、2017年に建設中の世界最大のエチレン工場の生産を開始します。勿論、シェールガス由来のエタンを原料としてエチレンを製造する訳ですね。
同様にシェルやエクソンが化学工場を新設し、20数年振りに肥料工場が建設されことになりました。

アメリカ製造業の復活

鉄鋼業界はパイプラインの需要で潤い新規プラントを計画中鉄鋼業界はパイプラインの需要で潤い新規プラントを計画中

この様なアメリカの製造業の復活は化学メーカーだけではありません。
鉄鋼業界はパイプラインの需要で潤い新規鉄鋼プラントの建設を計画しています。更に、家電や自動車にも波及効果が表れ、これらの製造業は工場の米国回帰を始めています。
また、石炭火力発電から天然ガス火力発電へのシフト・天然ガス自動車の利用拡大なども考えられます。
更に、シェールガスがアメリカ製造業に与える影響は、この様な直接的な影響だけではありません。シェールガスの産出によって圧倒的に低廉で豊富なエネルギー源を手にした米国産業界は、復権を革新し企業経営者は高揚感に包まれているとも言えます。

好影響は多方面に波及していくことが予想されている好影響は多方面に波及していくことが予想されている

その好影響は空運・陸運・海運・物流・小売・消費などに波及していくことが予想されます。今後、この様なシェール革命によって北米で産業ルネサンスが起こると予想するエコノミストも居るほどです。
そして、史上最高値を更新するニューヨーク株式市場のニューヨークダウの高騰と、今年に入ってからのドル高の流れは民間設備投資主導で米国経済が復活することを既に予見し始めていると言えます。
つまり、シェールガスはアメリカ経済にとり、「エネルギー自給」「経済活性化」「経常赤字縮小」の3点から長期的にプラス効果をもたらすと考えられています。