中国シェールガス事情



中国シェールガス事情

中国のシェールガスは世界一の埋蔵量

中国の四川・貴州などに於いて探鉱・開発がスタートした中国の四川・貴州などに於いて探鉱・開発がスタートした

中国にはアメリカを凌ぐ世界一の36兆立方メートルのシェールガスが埋蔵されていると予測されていますが、中国の四川・貴州などに於いて探鉱・開発が進められ始めました。
中国政府は2020年には年間600億立方メートル〜800億立方メートルのシェールガス生産を行うという意欲的な目標を掲げていますが、今のところ中国のシェールガス開発は具体的な実績が乏しいのが現状で、あくまでも準備段階・計画段階であり具体的に商業生産の目処が立っている訳ではありません。
今後、商業生産を開始するには少なくとも数年が必要な状況です。

掘削技術盗用問題

シェールガスの掘削技術盗用の懸念が付き纏っているシェールガスの掘削技術盗用の懸念が付き纏っている

その大きな理由の1つに、シェールガスの掘削技術盗用の懸念が付きまとっています。
シェールガスの掘削技術は「水平掘り」「水圧破砕」「マイクロサイスミック」という最新の技術の組み合わせで行われます。従って、アメリカの掘削会社は長年掛けて開発した最新の掘削技術を中国に盗まれることを恐れています。

アメリカ側の懸念は根深い様子アメリカ側の懸念は根深い様子

そこで、中国企業がアメリカやカナダのシェールガス鉱区権益を買取る例も出始めましたが、中国人技術者は現場の立ち入りを禁止されているところも有るとのことでアメリカ側の懸念は根深い様です。

アメリカの掘削大手が中国に子会社を立ち上げ、本格的な進出アメリカの掘削大手が中国に子会社を立ち上げ、本格的な進出

また、昨年7月には中国海洋石油総公司がカナダのエネルギー大手をM&Aで買収する事案も出ており、中国側とアメリカ側のせめぎ合いが熱を帯びています。
更に、アメリカの掘削大手のハリバートン社が中国に子会社を立ち上げて、本格的な進出を目指しています。

中国も安価なシェールガスは直ぐにでも欲しいエネルギー源中国も安価なシェールガスは直ぐにでも欲しいエネルギー源

その為、中国のシェールガス開発が動き出すには今少し時間が掛かりそうですが、経済成長とともにエネルギーの需要が増している中国では在来型の天然ガスよりも安価なシェールガスは直ぐにでも欲しいエネルギー源と言えます。
従って、数年以内に何らかの形で具体的なシェールガス開発が始まることは間違い有りません。最も手っ取り早いのは中国の3大国有石油会社である中国石油・中国石化・中国海洋石油のどこかがシェールガス開発に乗り出すことです。