既存エネルギーへの影響



既存エネルギーへの影響

一般炭価格は今年1月99.4ドルと最高値の半値まで暴落一般炭価格は今年1月99.4ドルと最高値の半値まで暴落

アメリカ産シェールガスの増産によって、既存エネルギーに玉突き的な影響を与えています。アメリカではシェールガスの増産によって石炭火力発電から天然ガス火力発電へのシフトが進み、アメリカ向けだったコロンビア産の石炭はアジアやオーストラリアに流入しています。その結果、オーストラリアのニューカッスル港渡しの一般炭価格は今年1月99.4ドルと最高値の半値まで暴落しました。

火力発電にシフトしている日本にとっては渡りに船の状況火力発電にシフトしている日本にとっては渡りに船の状況

現在、原子力発電から火力発電にシフトしている我が国にとっては、正に渡りに船の状況です。また、アメリカのプロパン価格はトン当たり400ドルに下落し、日本が買っているサウジアラビアのトン当たり1,050ドルの半値になっています。
また、欧州ではカタール産の安い天然ガスが入って来た為、ロシア産の天然ガスの行き場が無くなっています。困ったロシアはアジア市場に目を向け始めました。

OPECの原油供給に影響が出ていることを公式に認めたOPECの原油供給に影響が出ていることを公式に認めた

更に、原油市場では昨年11月にOPEC(石油輸出国機構)が、アメリカのシェールガスの増産によって国際エネルギー需給が緩和しOPECの原油供給に影響が出ていることを初めて公式に認めました。

シェールオイルの生産量は増加すると予測シェールオイルの生産量は増加すると予測

そして、OPECは2020年から2035年にかけてのアメリカのシェールオイルの生産量は日量200万バレル〜300万バレルに増加すると予測しています。更に、2035年のOECD諸国の原油生産量は日量500万バレルに達すると、少し控え目に予測しています。
今年のOPECの原油生産量は日量3,000万バレルですから、今後、OPEC諸国の国際石油市場でのプレゼンスは低下していくことは間違いありません。

シェールを中心とした非在来型の比率が高まっていくシェールを中心とした非在来型の比率が高まっていく

従って、今後は天然ガス・石油ともにシェールを中心とした非在来型の比率が高まっていくことは確実で、在来型だけでは45年で枯渇すると言われていた化石燃料の寿命は少なく見積っても100年から200年は延びたことに間違い無い様です。一説では化石燃料の寿命は400年延びたという強気の見方も出ているのですから。