恩恵が大きい航空業界



恩恵が大きい航空業界

航空運賃の仕組み

燃油特別運賃は燃料の価格の一定量を利用者から徴収する制度燃油特別運賃は燃料の価格の一定量を利用者から徴収する制度

ANAやJALなどの航空会社は、2004年12月から燃油特別運賃(燃油サーチャージ)を徴収しています。燃油特別運賃(燃油サーチャージ)は、ジェット燃料の価格が1バレル=US45ドルを超えた場合に航空機の運賃で不足分を利用者から徴収する制度です。
従って、ジェット燃料の価格が1バレル=US45を下回れば燃油特別運賃(燃油サーチャージ)は無くなる訳ですが、現在、日系航空会社はジェット燃料の価格が1バレル=US60ドルを下回れば燃油特別運賃(燃油サーチャージ)を廃止することになっています。

航空運賃も劇的に下がり航空産業が飛躍的に発展する航空運賃も劇的に下がり航空産業が飛躍的に発展する

いずれにしても、現在のジェット燃料の価格は1バレル=US60ドルを大きく上回りますから、当分の間、燃油特別運賃(燃油サーチャージ)が徴収されることになります。
しかし、将来的にシェールガス革命によってエネルギーコストの劇的な低下が起るとすると、航空運賃も劇的に下がり航空産業が飛躍的に発展することが考えられます。
それは自動車業界の恩恵の比ではありません。根本的に飛行機の利用形態が変わる可能性さえ考えられるからです。
例えば、100キロや200キロ程度の近距離の移動にも、小型や中型の飛行機やヘリコプターを利用するようになるかもしれないからです。将来的に化石燃料の価格が現在の半分や1/3になれば、根本的な発想が変わる可能性があるからです。

飛行機やヘリコプターの増産や新たな開発ニーズが出てくる飛行機やヘリコプターの増産や新たな開発ニーズが出てくる

そうなれば、小型や中型の飛行機やヘリコプターの増産や新たな開発ニーズも出て来るかもしれません。

LCC(ロー・コスト・キャリア)

コストをギリギリまで抑えた航空会社がLCCコストをギリギリまで抑えた航空会社がLCC

アメリカ便やヨーロッパ便のフライトで、体調によっては食事が食べ切れなくて勿体無い経験をした人も多い筈です。
また、素朴な疑問として「新幹線では食事は出ないのに、どうして航空機では食事が出るのだろう?」と思った方も居る筈です。
その様な人にとっては過剰なサービスと思われる機内サービスをカットして、コストをギリギリまで抑えた航空会社がLCC(ロー・コスト・キャリア)です。
現在、LCC(ロー・コスト・キャリア)のフライト料金は驚くほど安くなっていますが、便数が少ない為に予約が中々取れないのが欠点と言えます。
しかし、将来的にシェールガス革命によってエネルギーコストの劇的な低下が起ると、本格的なLCC(ロー・コスト・キャリア)の時代が来るかもしれません。
また、近距離の小型・中型飛行機やヘリコプター輸送などのサービスが登場するかもしれ
ません。

地方空港同士のフライトが実現するかも地方空港同士のフライトが実現するかも

現在、日本には92の地方空港がありますが、赤字の地方空港が多いのが頭痛の種です。
過去に必要の無い地方空港を作り過ぎた為ですが、今後、これまでの無駄な投資が偶然にも日の目を見るかもしれません。
つまり、これまでは考えられなかった地方空港同士のフライトや、近距離のフライトが小型・中型飛行機やヘリコプターを使って開始されるかもしれないからです。
例えば、「札幌−秋田便」や「福島−山形便」や「松山−高松便」や「茨城−成田便」など、組み合わせは無限です。
その結果、ANAやJALやスカイマークや LCC(ロー・コスト・キャリア)などの航空会社や三菱重工や川崎重工などの航空機メーカーが恩恵を受けることになるでしょう。
反面、JR各社やバス会社は経営戦略の見直しを迫られるかもしれません。