シェールガスと天然ガスの違いを知る



シェールガスと天然ガスの違いを知る

シェールガスも天然ガスの一種

シェールガスは地下から掘削する天然資源シェールガスは地下から掘削する天然資源

一般的にはシェールガスと天然ガスという表現で区別されていますが、これでは混乱や誤解を生む場合があります。
そこで、より厳密に分類するとシェールガスは非在来型天然ガスということになり、一般的に使われる天然ガスは在来型天然ガスと区別することができます。
つまり、シェールガスである非在来型天然ガスも従来の在来型天然ガスも、地下から掘削する天然資源ですから天然ガスであることは同じです。

在来型天然ガスとして区別している在来型天然ガスとして区別している

しかし、地下数千メートルに大量に存在するシェールガスを非在来型天然ガスと呼び、地下数百メートルに存在する従来の天然ガスを在来型天然ガスとして区別しているのです。
それは、シェールガスが主に2000年前後に新しい技術で掘削が始まった天然ガスで、生産地も埋蔵量もコストも在来型天然ガスとは全く異なっているからです。

シェールガス(非在来型天然ガス)と在来型天然ガスの違い

まず、在来型天然ガスは地下数百メートルの砂岩層に滞留しています。
そして、長い年月を掛けて砂岩層のガスが移動して、ガスが偶然大量に溜まったのが現在のガス田です。
従って、そのガス田に垂直に井戸を掘れば、地圧が掛かっていますからガスは自噴します。その後、一定量を採掘すると自噴は終わりますから、代わりに海水を注入してガスを押し出す訳ですね。この様な採掘方法で取れるのが在来型天然ガスで、在来型天然ガスの掘削にはそれ程の高い技術は必要ない訳です。

採取方法は海水を注入してガスを押し出す採取方法は海水を注入してガスを押し出す

一方、シェールガス(非在来型天然ガス)は、地下数千メートルの頁岩の地層であるシェール層に存在する天然ガスです。
シェール層はガスやオイルを通さない泥岩で構成されていますが、1億年〜数千万年という地質学的な時間の経過の中で、シェール層のガスやオイルが泥岩に浸透し一定量のガスやオイルを含んだ地層になっています。

シェール層に井戸を掘っても採取不可だと考えられてきたシェール層に井戸を掘っても採取不可だと考えられてきた

しかし、シェール層に従来のガスや石油の井戸を掘っても、気体や液体としてガスやオイルが分離されていないため全く採掘できないと考えられていました。
しかし、近年、シェール層にパイプを通して高圧水流でシェール層を破砕して人工的に無数のひび割れを作り、その隙間からシェール層の泥岩に封じ込まれていたガスを回収する技術が確立されました。それがシェールガス(非在来型天然ガス)なのです。
つまり、天然ガスは地下から取り出し易い在来型ガスと、資源量は豊富ですが地下深部に存在する非在来型ガスに分類されます。

非在来型ガスはコールベッドメタンとシェールガスに分類非在来型ガスはコールベッドメタンとシェールガスに分類

そして、非在来型ガスは石炭層に存在するコールベッドメタンと地層に単独で存在するタイトガスと、シェール層の中に存在するシェールガスに分類されます。