現在、様々なシンクタンクや企業がアメリカのエネルギー事情の変遷を予測していますが、1つの見方としては以下の様な予測が成り立ちます。この様な形で時系列によるアメリカのエネルギー事情の変遷を見ると、シェールガス革命の進展が理解し易くなります。
2000年代 | シェールガス商業生産本格化 |
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2005年頃 | シェールガス生産量の増加 |
2007年頃 | アメリカ国内天然ガス価格の下落始まる |
2007年頃 | アメリカ天然ガス輸入量の減少 |
2007年頃 | アメリカ貿易収支の改善傾向 |
2007年頃 | アメリカのエネルギー自給率の向上 |
2013年頃 | アメリカ製造業の復活始まる |
2013年頃 | アメリカがロシアを抜き世界最大の天然ガス産出国に |
2016年頃 | アメリカがLNG純輸出国に |
2016年頃 | アメリカ産天然ガスを日本に輸出開始 |
2017年〜 2020年代 |
アメリカがサウジアラビアを抜き世界最大の産油国に |
2017年頃 | アメリカの中東・北アフリカ地域への関与低下 |
2022年頃 | アメリカが天然ガス純輸出国に |
この予測を見ると今年からアメリカの製造業の復活が始まることになっています。従って、史上最高値を更新するニューヨーク株式市場とドル高トレンドは、米国経済が復活することを既に予見し始めていると言えます。
そして、2016年頃にアメリカがLNG純輸出国になり、2020年代にはアメリカがサウジアラビアを抜き世界最大の産油国になり、2022年頃にはアメリカが天然ガス純輸出国となって完全にエネルギーの自給体制を整えることになります。
その結果、2017年頃からアメリカの中東・北アフリカ地域でのプレゼンスが低下することが予想されます。イスラエルとアメリカとの同盟関係が有りますからアメリカの中東・北アフリカ地域でのプレゼンスが一気に低下することは考えられませんが、今後、イラク戦争の様な犠牲を払うことは無くなりそうです。