シェールガスの採掘には大量の水が必要な理由



シェールガスの採掘には大量の水が必要な理由

アメリカがシェールガス開発に成功した要因

アメリカがシェールガス開発に成功した要因は3つあるアメリカがシェールガス開発に成功した要因は3つある

2011年の世界の天然ガス生産量は3.3兆立方メートルで、前年比3%の増加を記録しました。特に、アメリカの生産量は6,500億立方メートルで、前年比7.8%の増加を記録しています。そして、全世界の天然ガス生産に占めるアメリカの割合は20%に達し、天然ガス王国のロシアを追い越して世界最大の天然ガス生産国に躍り出ました。
この数字を支えているのはアメリカがシェールガスの開発に成功したからですが、アメリカがシェールガス開発に成功した要因は3つあると言われています。

1つ目は中小のシェールガス開発会社の地道な技術革新1つ目は中小のシェールガス開発会社の地道な技術革新

1つ目は中小のシェールガス開発会社の地道な技術革新です。中小企業の長年の技術革新によって、最新のシェールガス掘削は「水平掘り」「水圧破砕」「マイクロサイスミック」という技術を最適に組み合わせて掘削を行っています。

2つ目は、全米に張り巡らされたガスパイプネットワーク2つ目は、全米に張り巡らされたガスパイプネットワーク

成功した要因の2つ目は、全米に張り巡らされたガスパイプネットワークです。アメリカには在来型天然ガスのガスパイプネットワークが存在したことが、シェールガスのリアルタイムの供給体制に結び付きました。

3つ目は、アメリカの豊富な水資源の存在3つ目は、アメリカの豊富な水資源の存在

成功した要因の3つ目は、アメリカの豊富な水資源の存在です。
シェールガスの採掘には豊富な水が必要です。特に、シェールガス掘削に無くてはならない「水圧破砕」には大量の水が必要なのです。

アメリカの水資源

世界の水資源に占めるアメリカの水資源の割合は5.7%世界の水資源に占めるアメリカの水資源の割合は5.7%

アメリカの総人口の世界人口に占める割合は4.2%ですが、世界の水資源に占めるアメリカの水資源の割合は5.7%に上ります。アメリカにはカナダ国境沿いの五大湖沿いとロッキー山脈・アパラチア山脈付近に多くの水資源が集中しています。
我が国も水が豊富な国と自負していますが国民1人当りで見ると、アメリカの水資源量は日本の3倍に匹敵します。そして、アメリカエネルギー省エネルギー情報局の統計によりますと、現在のアメリカのシェールガス掘削に使われている水は年間約30億トンに上るとのことです。そして、このままのペースでシェールガス開発が進展すると仮定すると、2035年に63万本の掘削井で「水圧破砕」が実施された場合、現在の17倍の510億トンの水資源が必要に成ると試算しています。
この510億トンの水資源量は、日本の年間水資源量830億トンの60%に匹敵する膨大な水資源量なのです。従って、シェールガス掘削には大量の水が必要なことは言うまでもありませんが、今後は水を効率化した掘削技術と水処理技術も求められることになります。